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2014 年度 実施状況報告書

差別の規範理論――差別の悪の根拠に関する倫理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26770011
研究機関東京理科大学

研究代表者

堀田 義太郎  東京理科大学, 理工学部, 講師 (70469097)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード差別
研究実績の概要

2014年度は本研究課題の根幹にある、「差別の規範理論」に関して、英語圏の主要な議論をレビューし、論文としてまとめた。
とくに、差別の特段の悪を説明するための哲学的分析として、①被行為者のこうむる害の大きさに着目する「害ベース説」、②行為者の意図や動機に着目する「偏見・誤謬説」、③害の大きさとも行為者の偏見とも独立した、行為の歴史的文化的社会的意味に着目する「行為の意味説」の分類を精査し、③の意義を検討し、明らかにした。
次に、機会平等論による差別の理論化を試みる議論に関して、その問題点と限界を明らかにした(研究会にて報告)。
また、行為の意味説の基盤となる、規範理論として「尊重」や「関係性」を重視する「社会関係の平等論」に関して学会報告を行い、現在論文化の準備をしている(日本倫理学会)。
また、具体的な問題として、障害者や重度の難病者の置かれた状況に関して、消極的安楽死および出生前診断選択的中絶を擁護する議論を批判的に検討し、シンポジウムで報告した(記録は雑誌『支援』に掲載予定)。また、ヘイトスピーチと差別に関する概念的混乱を解きほぐして明確に差別論のなかにヘイトスピーチを位置づける報告を行った(「女性・戦争・人権」学会)。
上記研究の意義は、差別概念の明確化が社会的に極めて重要な課題である(あり続けてきた)ことを前提として、日本語圏における差別概念の哲学的解明の圧倒的な不十分さを埋めるための最初の第一歩になるという点である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今年度は、年度前半にて、日本語圏の従来の差別に関する理論的言説を概観し、総括する。
年度後半は、英語圏の法哲学・政治哲学分野での議論蓄積に関して、これまでの研究をまとめるために論文化の作業に従事する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 差別の規範理論――差別の悪の根拠に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      堀田義太郎
    • 雑誌名

      社会と倫理

      巻: 29 ページ: 93-109

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ヘイトスピーチ・差別・マイノリティ2014

    • 著者名/発表者名
      堀田義太郎
    • 学会等名
      「女性・戦争・人権」学会
    • 発表場所
      同志社大学烏丸キャンパス(京都府)
    • 年月日
      2014-10-26 – 2014-10-26
    • 招待講演
  • [学会発表] 社会関係の平等主義の射程2014

    • 著者名/発表者名
      堀田義太郎
    • 学会等名
      日本倫理学会
    • 発表場所
      一橋大学国立キャンパス(東京都)
    • 年月日
      2014-10-05 – 2014-10-05

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公開日: 2016-06-01  

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