• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

ポスト・ヒューマン時代における「他者の倫理」:レヴィナスと現代仏語圏倫理学研究

研究課題

研究課題/領域番号 26770012
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

渡名喜 庸哲  慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (40633540)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードレヴィナス / 倫理 / マルティン・ハイデガー / ジャック・デリダ / ハンス・ヨーナス / ギュンター・アンダース / ハンナ・アーレント
研究実績の概要

本年度は、本研究課題の最終年度にあたり、これまでの研究のとりまとめおよび公表を中心に行った。研究遂行に必要な書籍の購入を行なったほか、8月にフランスに海外出張を行い、現地で文献調査を行うとともに、主にフランス国立図書館において研究のとりまとめ作業を行なった。日本国内では、これまでの研究についての資料整理および論文執筆を行った。研究成果については、第一に、レヴィナスにとって最も重要な参照・批判先であるハイデガーについて、未公刊資料等の新資料を用いて解明をめざした論文を公刊した。この未公刊資料については、翻訳作業を進め、その一部を共訳のかたちで公刊した(『エマニュエル・レヴィナス著作集2:哲学コレージュ講演集』)。残りの第3巻についても、翻訳をほぼ完了しており、来年度に公刊を予定している。また、レヴィナス思想の要の一つである「ユダヤ性」の問題については、デリダによる当該問題を扱った著作『最後のユダヤ人』の翻訳を公刊し、解説を発表した。
本研究課題のもう一つのテーマである「ポスト・ヒューマン」をめぐる問題については、これに関わる現代の科学技術の哲学についてフォローした。その内容・成果としては、レヴィナスと同時代の20世紀ドイツの思想家らが重要だが、まずギュンター・アンダースについては原子爆弾についての倫理的考察に関する論考を『現代思想』を発表、ハンナ・アーレントについては科学技術振興機構においてベルギーにてアーレント思想を科学技術政策との関係で論じるニコル・ルワンドル氏との対話を行ない、ハンス・ヨーナスについては日本におけるヨーナス研究者より専門知識の教示を得た。また、日本の科学研究の現状については池内了氏に講演をしていただき、専門知識の教示を得た。これらの成果の一部はフランス専門誌にて仏語論文を公刊した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「被投性か繁殖性か:レヴィナスのハイデガー批判はそもそも何を狙っていたのか」2016

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 雑誌名

      『ハイデガー・フォーラム』

      巻: 10 ページ: 91-103

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] "La banalite resiliente des catastrophes : d’Apres Fukushima de Jean-Luc Nancy"2016

    • 著者名/発表者名
      Yotetsu TONAKI
    • 雑誌名

      Rue Descartes

      巻: 88 ページ: 66-83

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 「ギュンター・アンダースのヒロシマ 政治でも、道徳でも、ヒューマニズムでもなく」2016

    • 著者名/発表者名
      渡名喜庸哲
    • 雑誌名

      『現代思想』

      巻: 44(15) ページ: 96-108

  • [学会発表] Eros, litterature et desastre: Bataille, Levinas, Nancy2017

    • 著者名/発表者名
      Yotetsu Tonaki
    • 学会等名
      Le colloque international pour le cent vingtieme anniversaire de la naissance de Georges Bataille
    • 発表場所
      慶應義塾大学
    • 年月日
      2017-04-22 – 2017-04-23
    • 国際学会
  • [図書] 『終わりなきデリダ:ハイデガー、サルトル、レヴィナスとの対話』2016

    • 著者名/発表者名
      齋藤元紀、澤田直、渡名喜庸哲、西山雄二
    • 総ページ数
      406(325-349)
    • 出版者
      法政大学出版局
  • [図書] 『最後のユダヤ人』2016

    • 著者名/発表者名
      ジャック・デリダ(渡名喜庸哲訳)
    • 総ページ数
      145
    • 出版者
      未來社
  • [図書] 『エマニュエル・レヴィナス著作集2:哲学コレージュ講演集』2016

    • 著者名/発表者名
      エマニュエル・レヴィナス(藤岡俊博・渡名喜庸哲・三浦直希訳)
    • 総ページ数
      426(153-267)
    • 出版者
      法政大学出版局

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi