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2016 年度 実施状況報告書

非デカルト的実体二元論への〈人〉の現象学からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 26770014
研究機関岡山大学

研究代表者

植村 玄輝  岡山大学, 社会文化科学研究科, 講師 (40727864)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード現象学 / 知覚経験 / 志向的対象 / 意志経験 / 動機づけ / 行為 / 感情
研究実績の概要

本年度の研究実績は、以下の三つに区分できる。(1)現象学的な知覚論に関する論文の作成・投稿、(2)「意志経験における〈人〉の役割:意志の包括的な現象学を打ち立てる」に関する研究、(3)意志との類比性を踏まえた感情の現象学に関する基礎的研究。
(1)について。知覚経験に関する研究は、計画上は第一・第二年次に行うものであったが、昨年(第二年次)の報告書の「現在までの進捗情況」で述べた通り、その成果を論文のかたちで発信するという課題が未達成であった。こうした事情を踏まえ、本年の研究では、インガルデンの知覚論を主題とした、現象学的な知覚論を明確化する論文"Demystifying Roman Ingarden's Purely intentional Objects of Perception"を作成し、日本における現象学研究に関する論文集(Shigeru Taguchi & Nicolas de Warren (eds.), Phenomenology in Japan, Springer)への寄稿論文として提出した(未出版)。
(2)について。計画を前倒しして昨年度から行なっていた本研究テーマについて、ここまでの成果を発信するものとして、"Motives in Experience. Pfander, Geiger, and Stein"という共著論文をAlessandro Salice博士(University College)と共同で作成し、現在準備中のAntonio Cimino (ed.), Phenomenology of Experienceという論文集(出版社未定)の原稿として提出した。
(3)について。これまでの研究を通じて、感情の現象学の成果を意志の現象学に応用するという着想にいたり、感情の志向的対象に関する研究を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

昨年の報告書の「今後の研究の推進方策」において述べた通りの研究をおおよそ実行し、研究計画の遅れを取り戻した。
また、「意志経験における〈人〉の役割:意志の包括的な現象学を打ち立てる」については、研究計画上は予定されていなかったは論文の作成を行った。
これらに加え、意志経験と感情経験の平行性を、志向的対象に着目することで考察という、当初には予想していなかった方向性の研究を着想し、それに着手することができた。
以上の三点より、本年度の研究は当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画どおり、初期現象学における動機づけ論を手掛かりとした、行為における意志と決意における意志の分析を包括的に扱い、因果的な世界に〈人〉を位置づけるための現象学的な枠組みを示す論文の作成を目指す。またそこで意志の志向的対象を問題にする際には、本年度の研究の成果を踏まえ、感情の志向的対象との類比性にも着目していきたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)

  • [国際共同研究] University College Cork(Ireland)

    • 国名
      アイルランド
    • 外国機関名
      University College Cork
  • [国際共同研究] University of Copenhagen(Denmark)

    • 国名
      デンマーク
    • 外国機関名
      University of Copenhagen
  • [学会発表] On the Intentional Structure of (Hetero-Induced) Shame/Pride.2017

    • 著者名/発表者名
      Genki UEMURA
    • 学会等名
      Social Self-Conscious Emotion, the Second Cork Annual Workshop on Social Agency (CAWSA II)
    • 発表場所
      University College Cork(コーク、アイルランド)
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-15
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] What is it Like to be Motivated? An Answer from Alexander Pfander2016

    • 著者名/発表者名
      Genki UEMURA
    • 学会等名
      The 7th PEACE Conference
    • 発表場所
      University of Tokyo (Komaba Campus)
    • 年月日
      2016-12-18 – 2016-12-18
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Motivating Dual Factor Theories of Perceptual Experience2016

    • 著者名/発表者名
      Genki UEMURA
    • 学会等名
      Consciousness and the World
    • 発表場所
      Tongji University(上海、中華人民共和国)
    • 年月日
      2016-06-04 – 2016-06-04
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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