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2014 年度 実施状況報告書

バロック時代の舞踏譜に見られるフィギュールの形態の分析

研究課題

研究課題/領域番号 26770045
研究機関成城大学

研究代表者

赤塚 健太郎  成城大学, 文芸学部, 専任講師 (10528821)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード音楽学 / 音楽史 / 舞踏史
研究実績の概要

初年度は、バロック時代の振付に関する既存の研究を踏まえたうえで、入手済みの舞踏譜について、主に踊り手が舞踏平面に描く軌跡であるフィギュールの対称性の観点から検討を始め、フィギュールの分析方法の策定に着手した。研究実績の詳細は以下の通りである。
まず資料となる舞踏譜については、計画された調査対象である23の年次舞踏譜集の内、21集の複写を既に確保している。なおこれらの舞踏譜集は、いずれもフランス国立図書館所蔵のものである。各舞踏譜集には複数の舞踏譜が含まれており、個別の舞踏譜の数で数えると、調査対象となる68件の振付の内、60件を確保していることになる。調査対象となる年次舞踏譜集の中には、当時出版された資料が現存しておらず、筆写譜のみによって伝えられているものが何点か含まれている。こうした資料については、筆写譜を通じて調査を進めることとした。
これらの資料について、既存の舞踏譜カタログと照らし合わせながら可能な範囲で伴奏舞曲や振付者、舞踏種の確定を行い、さらに先行研究における対称性に関する議論を改めて確認した。一連の過程の中で、振付者毎の様式的な差異に関する視点と、劇場的な振付と舞踏会的な振付の差異に関する視点が重要であることが確認された。この内、後者については、既存の研究がしばしば言及している舞踏譜集(1700年に出版されたフイエによる振付集と、同年に出版されたペクールによる振付集)を新たに本研究の考察対象に加えることとし、主にこの2つの舞踏譜集に収録された24件の振付を対象に、踊り手が舞踏平面に描くフィギュールの対称性の区分けを試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

社交的な振付と劇場的な振付という視点を加えることで、調査対象となる舞踏譜集を拡大したこと、さらにフランス国立図書館以外の機関が所蔵する資料に関して複写の入手が遅れていることにより、目的の達成度については若干の遅れが見られる。

今後の研究の推進方策

調査対象となる研究資料の入手については、残る2資料の入手を速やかに完了する。さらに、新たに調査対象に組み入れた2資料の考察を通じて、フィギュールの対称性の分析手法について検討を進めることが当面の優先課題となる。加えて2年目からは、当初の計画を踏まえ、振付と音楽の楽節的な区分点との関連に関する調査や、対称的反復動作の検討も行っていくこととする。

次年度使用額が生じた理由

先行研究を踏まえて新たに研究対象に組み込んだ2資料について考察することが初年度の大きな課題となったため、資料調査のための海外渡航を先延ばしにし、結果として次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

研究対象となる資料を実際に調査するための旅費として使用する計画である。

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公開日: 2016-06-01  

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