研究課題/領域番号 |
26770047
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
小澤 京子 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 客員研究員 (40613881)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 都市・建築史 / 新古典主義 / フランス / ユートピア構想 / 社会思想 / フーリエ / 生政治と建築 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、18世紀後半から19世紀前半にかけてのフランスの都市計画案・都市構想案の整理を行なった。特に「建築物や都市の構造を通じて、住民の身体、健康、性、労働をコントロールする」という思潮について、すでに調査済みのルドゥ(産業共同体を基盤とする理想都市構想)やサド(建築空間による性的身体の訓育)、レティフ(性的身体を管理するための理想的娼館建築)を参照しつつ、フーリエによる都市・建築構想を、彼の著作『四運動の試論』や『愛の新世界』を中心に研究した。 これらの研究で得られた成果は、断片的な形ではあるが、分担執筆『美術と建築』(五十嵐太郎編、エクスナレッジ、近日刊行予定)、論文「サド、建築家」(2014年)、口頭発表「ルドゥとサドの建築構想ーー身体、生、性をめぐる政治性」(シンポジウム「建築/非建築の荒野で」、2015年)で公表した。また、上記成果も含めた単著を法政大学出版局より、サドと建築と身体をめぐる政治性を論じたムラデン・コズル著『世界内身体 サドの語りと空間』(フランス語)の邦訳を白水社より、それぞれ刊行する計画が進行中である。 上記研究の根幹にある問題意識は、身体への眼差しをめぐる政治性や、身体を取り囲み規定するもののイメージである。このテーマ設定を発展させ、依頼や招待を受ける形で、「衣服と身体」や「身体イメージとジェンダー、セクシュアリティ」にまつわる様々な発表(口頭発表「電子の時代のピュグマリオン」、「人工知能とジェンダー」、「日本における「少女の記号」としてのアリス像」、「服がつなぐもの」、論考「映画における服飾的細部と着崩される文体」、「「イケメン」と「美しい男」」、いずれも2014年)を行なった。また、映画という時間性・運動性を伴ったメディア内の建築イメージを分析する試みとして、論文「《ゴダールの〈建築空間》の撹乱〉」(2015年)を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度途中で、現物検収手続きや書類提出の便宜のため、所属機関を埼玉大学(前期のみ非常勤講義あり)から首都大学東京(通年で非常勤講義あり)に変更した。この変更手続きの完了までに時間が掛かり、物品購入等が滞りなく行なえるようになるまで、7月末から11月下旬までの4ヶ月近いブランクが発生した。このため、科研費を用いた研究の遂行(高価な海外書籍の購入や夏期・秋期の長期休暇期間を利用した国内外への調査旅行)に、著しい遅れが生じた。 また、春期休暇期間に海外での調査研究や学会発表を予定していたが、フランスを中心とする治安情勢悪化傾向(ISILによるテロやシャルリ・エブド襲撃事件に端を発する暴動など)を鑑み、この時期の海外渡航を中止した。
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今後の研究の推進方策 |
前年(平成26年)度の課題であった、フーリエの著作『家庭的農業的協同体概論』(1822年)、『産業的協同社会的新世界』(1822年)、機関誌『ファランステール』(1832年創刊)における都市・建築構想の構分析を急ぎ進める。 10月からは、サン・シモンおよびサン・シモン主義者による都市とネットワーク構想について、Pierre Mussotによる二次文献を手掛かりにしつつ、分析と一次文献調査を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の途中で、現物検収手続きや書類提出の便宜のため、所属機関を埼玉大学から首都大学東京に変更した。この変更手続きの完了までに時間が掛かり、物品購入等が滞りなく行なえるようになるまで、7月末から11月下旬までの4ヶ月近いブランクが発生した。また、春期休暇期間に海外での調査研究や学会発表を予定していたが、フランスを中心とする治安情勢悪化傾向(ISILによるテロやシャルリ・エブド襲撃事件に端を発する暴動など)を鑑み、この時期の海外渡航を中止した。 上記のような事情のため、特に海外から調達すべき物品(書籍)の購入に遅滞が生じ、また長期休暇期間を利用した調査や口頭発表のための海外渡航・国内旅行のスケジュールをキャンセル・延期したため、587,207円の次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
本来は前年度に購入予定であった海外書籍の購入(サン・シモン関係)を行なう。また、前年度に実施できなかった国内外での調査旅行や国際学会での口頭発表に注力し、前年度の実績計画遂行の遅れを取り戻す。
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