本研究では、シュルレアリスムの国際化における創造的変容について、おもに日本とイギリスにおける受容の問題をめぐって比較考察を行った。研究期間中は、日英の美術館や画廊のアーカイヴで作品・資料調査を行い、同時代の展評や新聞記事、雑誌記事を丹念に検討した。アカデミックな美術史的言説のみならず、当時のコマーシャル・ギャラリーの傾向やマスメディアの言説も拾うことで、当時のシュルレアリスム受容と展開の実相を多角的に明らかにした。また、イギリスのシュルレアリスム研究者と多くの議論を行い、国際シュルレアリスム事典プロジェクトにも成果を発表した。
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