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2015 年度 実施状況報告書

武家社会における「画鷹」の受容と展開

研究課題

研究課題/領域番号 26770053
研究機関熊本大学

研究代表者

水野 裕史  熊本大学, 教育学部, 講師 (50617024)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード鷹図 / 鷹狩 / 豊臣秀吉 / 公家
研究実績の概要

本研究の目的は、武家社会において「画鷹」がどのような機能を持って受容されていたのか明らかにすることにある。以下の二つを柱として研究する。
【1】画鷹の悉皆調査
鷹が描かれた絵画資料について、中世末期以降の作例が多く確認されるものの、これまで体系化はされてこなかった。そのため悉皆調査を本研究課題の最重要テーマとし、実施している。本年度は、京都国立博物館ならびに東京国立博物館、山口県立美術館等にて調査を行った。加えて中国絵画の調査にも広げ、日本における画鷹の成立について東アジア史の視点から考察することとした。そのため台北・故宮博物院において調査を行った。
【2】鷹狩との関連性
これまで17世紀における鷹狩図の流行については、感覚的に武家の鷹狩流行があると指摘されてきた。しかし、研究の結果、公家である西園寺家や勧修寺家がその流行に大きく関与していることが明らかとなった。本研究は「武家社会」をキーワードに進めているが、異なる視点から鷹狩図受容の文化史的背景の一端を解明することができた点は大きな成果である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、鷹の美術が武家社会の中で、どのように受容されたのかを解明することを目的としている。鷹の美術は、これまで「武家社会」の中で成熟されたことで成立したものと考えてきたが、公家の関与を明らかにしたことは大きな成果である。
本年度は、研究成果として3件の口頭発表を行い、順調に研究を推進している。

今後の研究の推進方策

年度当初に熊本地震が発生し、復興業務等のため上半期の研究計画に大幅な変更が生じる可能性がある。ただし下半期中にその遅れを取り戻したい。

次年度使用額が生じた理由

一部の海外調査の日程が翌年度にずれ込んだため。

次年度使用額の使用計画

旅費として適正に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 庭を構成する自然物の意味と機能2016

    • 著者名/発表者名
      水野裕史
    • 雑誌名

      中世庭園の研究-鎌倉・室町時代-

      ページ: 163-171

  • [学会発表] 秀吉「大鷹野」と鷹狩図2016

    • 著者名/発表者名
      水野裕史
    • 学会等名
      熊本中世史研究会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2016-01-23
  • [学会発表] 桃山時代を中心とした障屏画の意図するもの2015

    • 著者名/発表者名
      水野裕史
    • 学会等名
      熊本県高等学校教育研究会美術・工芸部会研究協議会
    • 発表場所
      熊本県立八代工業高等学校
    • 年月日
      2015-11-20
    • 招待講演
  • [学会発表] 個人蔵《春日若宮祭礼図・鷹狩図屏風》の主題と典拠2015

    • 著者名/発表者名
      水野裕史
    • 学会等名
      第68回美術史学会全国大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-05-24

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公開日: 2017-01-06  

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