本研究は、武家社会における「画鷹」成立と展開の文化的背景を明らかにすることにある。その具体的な方法として、画鷹の悉皆調査と文献史料の集積を主な目的とした。 調査としては、国内外の16の博物館や美術館などで実見調査を実施し、画鷹の体系化を試みた。加えて五山文学や武家、公家の日記などから数百件の画鷹の記事を抽出した。 研究の結果、武家以外にも、公家である西園寺家や勧修寺家が画鷹の流行に深く関与していることが明らかとなった。本研究は「武家社会」をキーワードとしたものだが、異なる視点から画鷹受容の文化的背景の一端を解明することができた点は一つの成果と考える。
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