法隆寺献納宝物の染織品には、いまだ約千点の未整理品が存在している。本研究においてはこれらを含めた全作品に対し調査と分類を行った。これにより作品の全体像が把握できたことで、今後行われる修理作業をより高い精度で行うことが可能となった。また未整理品を整理していくなかで、飛鳥時代に遡る木簡を8点発見することができた。これは伝世作品としては国内最古のものであり、法隆寺に伝来したことも明らかであることから、史料的価値が極めて高いものであった。このため、この木簡については奈良文化財研究所と共同で調査を行い、その成果については報道発表するとともに、論文を刊行した。
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