研究課題/領域番号 |
26770057
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
塚本 麿充 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, その他部局等, 研究員 (00416265)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 美術史 / 清朝 / 乾隆帝 / コレクション / 模写 |
研究実績の概要 |
本年度は乾隆画壇の東アジア的展開についての基礎的な調査と研究を実施した。特に本年度は「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」展(東京国立博物館 2014年6月24日~9月15日)が開催され、作品の安全な輸送展示とともに、研究課題である、文物としての意義を展示するための事前の調査研究を綿密に行った。その結果、乾隆朝の文物観を代表する多宝格を象徴とした展示空間が完成し、その意義を内外に分かりやすく伝えることに成功した。 また研究活動としては、展覧会を記念して行われたシンポジウム「中国皇帝コレクションの意味-書画における復古と革新-」(東京国立博物館、2014年7月5日、6日)に参加し、「皇帝コレクションにおける模写・模造事業―乾隆帝の書画コレクションと狩野派―」という研究発表を行い、乾隆画壇と日本における18世紀のコレクション活動についての初歩的見解を述べることが出来た。また、2014年12月5日~7日にかけておこなわれた「創新與創造-明清知識建構與文化交流国際学術検討会-」(台湾、中央研究院)において、「《唐繪手鑑(筆耕園)》與江戸時代中國繪畫知識的架構」を発表し、日本における中国絵画知識の集成の過程について、より具体的に検討することが出来た。 また、調査活動については、東京国立博物館の模本類を継続調査のうえ、乾隆画壇における模写事業と比較検討を行い、あわせて関連資料の収集をおこなった。また、海外については台北・國立故宮博物院に所蔵される作品の調査のほか、上海・蘇州、南京、香港、マカオ等に調査に赴き、当該史料、作品の調査を行い、大きな知見を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の通り、順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象を北京・故宮博物院およびアメリカ、韓国の美術館、博物館にのばし、より包括的な研究の完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度である今年は、一眼レフカメラの購入など、大口の調査設備の購入が必要だったため。
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次年度使用額の使用計画 |
旅費、物品費等で調整する。
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