この研究は、18世紀の東アジアにおける乾隆画壇の位置づけと、その地域的、歴史的な成立の意味を考察するものである。そのために、中国や台湾に所蔵される豊富な作品やそのコレクションを支える概念、歴史的な変遷について考察を深め、その異同や相互関係を考察した。 そのために今回の研究では、具体的な作品に加え、その付属品、表具、書付、著録、および模本制作といった、コレクションを支える思想を表現している媒体を特に注意深く観察することをおこなった。あわせて、それらの画像資料を収集、分析し、そのことによって日本と中国のコレクションと古物への全く違った視座が形成されたことを考証した。
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