映画やテレビといった大衆メディアが、社会的偏見がいまだに残るハンセン病問題を、歴史的にどのように扱ってきたのかを検証した。 具体的には、2015年公開の映画『あん』を取り上げ、過去の関連作品『砂の器』(1974年)など過去作品と比較しての描写の違いに言及した。例えば、1996年の「らい予防法」廃止以降に生まれた劇中の少女が、ハンセン病について学ぶ描写があり、次世代を念頭においた啓蒙的意識が見られることを指摘した。 他に、メディアで表象されてきたハンセン病を、当事者たちがどのように受容してきたのかについても明らかにした。
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