研究課題
若手研究(B)
本研究では終戦直後の新聞小説の実態を研究した。衣食住にも事欠く時代に、それでも購読者の期待に応える形で連載された文学作品には、どのような特徴があるのか。1945年から1946年にかけて連載小説を4作書いた織田作之助を中心に分析した。作之助は「京都日日新聞」「大阪日日新聞」などの京阪の地方紙を中心に、記事や広告を活用した作品を書いていた。結果、連載当時の紙面には創作欄だけに留まらぬ面白さを備えた作品が成り立っていたこと、作之助が新聞小説という形式を問い直す試みをしていたことがわかった。
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