研究課題
若手研究(B)
14世紀から17世紀にかけての時代、いわゆる南北朝・室町時代に『太平記』はどのような書として認識されていたのか。この問題を追及するために、本文異同の分析、作品の読解、享受資料の検討を行った。これにより、神田本『太平記』が15世紀の異本生成の過程を知る上で重要な伝本であること、半ば定説化している『太平記』は室町幕府の正史(的存在)という説は成り立ちがたいこと、8代将軍足利義政周辺に異本的存在である天正本『太平記』が存在していたことなどを明らかにした。
日本中世文学