本研究は、アジア・太平洋戦争後、文学者による西洋美術に関する美術批評がどのようにもたらされ、機能したかを明らかにしたものである。『藝術新潮』を中心とする雑誌メディアと小林秀雄等の文学者の美術批評を実証的に調査・検証・分析することで、文学者の美術批評が、転換期において、同時代の内外の文学・美術の動向や行政・制度の変化と連動し、さらに雑誌メディアの戦略の中で、美術史や文学史の枠組みを超えて影響力を有したことが具体的に確認された。 本研究の成果は、刊行本として一挙に公開予定である。400字詰め換算800枚規模で、出版社の計画として社内承認され、2018年の刊行を目指している。
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