研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、系譜/系譜学がウィリアム・フォークナー作品の登場人物のアイデンティティ形成に与えた影響を考察することにある。研究計画に基づいて『アブサロム、アブサロム!』以降のクエンティンからアイクへの語り手の変更や『行け、モーセ』におけるサム・ファーザーズとアイクの存在意義を考察した。2年間の研究期間ではフォークナー作品の「系譜」について総括することはできなかったが、『行け、モーセ』が「コンプソン付録」に与えた影響を検討するなど、フォークナー作品の間テクスト性を再確認することができた。
米文学