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2016 年度 実施状況報告書

ウォルター・スコット及びジェイムズ・ホッグの作品における妖精表象の実態と近代

研究課題

研究課題/領域番号 26770099
研究機関三重大学

研究代表者

吉野 由起  三重大学, 人文学部, 准教授 (90707291)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードロマン派期イギリス文学 / ヨーロッパにおけるフォーク・リヴァイヴァル / スコットランド文学 / ウォルター・スコット / ジェイムズ・ホッグ / 叙事詩 / ジャンル実験
研究実績の概要

2016年度は過去2年間国内で収集した資料の分析調査を継続しつつ夏季に渡英し、スコットランド国立図書館、オックスフォード大学附属ボドリアン図書館、大英図書館で、国内で閲覧困難な文献の調査を集約的に行った。成果としてスコット、ホッグによる妖精の造型法、用法例を多数得た上で、これらは極めて多岐に渡ることを確認し、両者による妖精譚は時に、一見懐古的な様相を呈するが先鋭的な同時代性を持ち、同時代における啓蒙主義・ロマン派両文学潮流のせめぎ合いの体現であると同時に、新たな神話創造の試みであり、さらに両者のジャンル観、ジャンル実験に密接に関連するという仮説の裏付けを得た。特にスコット初期の作品The Lay of the Last Minstrelの重要性を再確認し、同作品の同時代文学、言説上の位置と意義の検証という新たな課題に発展することができた。The Lay ofthe Last Minstrelに関する考察を論文一篇にまとめ査読付学術誌に投稿したが不採択であった為、文献に基づき再検討を開始している。Hoggに関して2015年度に学会発表一篇を通して論文の土台を完成してており、2016年度は論文にまとめる作業を継続したが完成することができなかった為、2017年度は執筆作業を継続する。その他本研究の成果をもとに以下の活動を行った。

(1)口頭発表「日常と非日常―『借り暮らしの小人たち(The Borrowers)作品群における物語空間と道具の造型」2016年度日本イギリス児童文学研究大会(抄録は『日本イギリス児童文学会報』春季号(2017年5月)掲載)(2)公開講演「自然と湖水を描く:イギリス・ロマン派詩を読む」(放送大学三重学習センター公開講演、2017年2月)(3)資料展示「旅を巡る英語圏・ドイツ文学」企画、参加(2016年度三重大学人文学部オープンキャンパス、2016年8月)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

スコットに関しては、論文を完成したものの、査読付学術誌で不採択であったため、掲載に至っていない。ホッグに関しては執筆中の論文が未完成である。2017年度は未完成の論文の完成を目指す。

今後の研究の推進方策

スコット、ホッグのそれぞれに関して未完成の論文を完成させることを最優先課題とし、執筆を進める。

次年度使用額が生じた理由

2016年度に予定していた資料調査の一部と、論文合計2篇の執筆作業が遅れており、完了することができなかったため。

次年度使用額の使用計画

過去3年間で入手ができていなかったスコット作品のEdinburgh Edition、ホッグ作品のSouth Carolina/Stirling Editionの入手と、紙、プリンタインクカートリッジ、コピー代等、論文執筆作業に必要な事務用品に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 日常と非日常―『借り暮らしの小人たち(The Borrowers)』作品群における物語空間と道具の造型2016

    • 著者名/発表者名
      吉野 由起
    • 学会等名
      2016年度日本イギリス児童文学研究大会
    • 発表場所
      中京大学名古屋キャンパス(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2016-11-26

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公開日: 2018-01-16  

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