研究課題/領域番号 |
26770113
|
研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
浜本 隆三 福井県立大学, 学術教養センター, 講師 (00583311)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | マーク・トウェインの自伝研究 |
研究実績の概要 |
平成26年度はマーク・トウェインの自伝についての研究と、さらに時代背景を深めるための19世紀の歴史に関して、とくにトウェインの自伝において興味深い南北戦争期の史実の整理を行った。また、極西部でのボヘミアン・サークルとトウェインとの関係について、書評を書く機会を得て、研究の進展に役立った。 研究成果としては、エコクリティシズム研究学会の年次大会において「マーク・トウェインの自伝にみる記憶に刻まれた風景」と題して研究発表を行った。その内容を大幅に書き改めて、『エコクリティシズム・レヴュー』に報告論文として投稿した。また、著書の分担執筆として論文「彼岸なきハックのダンス・マカーブル:19世紀進化思想とマーク・トウェイン」(『文学から環境を考える:エコクリティシズム・ガイドブック』(勉誠出版、2014))を執筆した。さらに、書評として「Ben Tarnoff著 The Bohemians:Mark Twain and the San Francisco Writers Who Reinvented American Literature (New York: Penguin, 2014)」を『マーク・トウェイン 研究と批評』(南雲堂、校正中)を執筆した。このほか、時代背景を整理する一環として共著として『欧米社会の集団妄想とカルト症候群:生成のメカニズムの宗教・社会史的考察』(明石書店、校正中)に「アメリカに飛び火した魔女狩り」および「アメリカの秘密結社 クー・クラックス・クラン」を寄稿した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画の段階では、平成26年度は自伝の中身の整理を中心に行う予定にしていた。しかし、外部からの執筆依頼などがあり、当初の計画にくわえて、当時の時代背景の研究などを深めることができ、予定していた以上の進展がみられた。したがって、全体的には「おおむね順調に進展している」との自己評価を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の計画としては、自伝の内容の整理を27年度中に行い、さらに、本年は7月にアメリカのトウェイン研究の学会において研究発表をする機会を得ているため、これまでの成果を発表してアメリカ人研究者からの批評を仰ぐことにしている。さらに、10月には日本マーク・トウェイン協会の年次大会において、トウェインの西部経験についてのシンポジウム発表を行う予定になっている。これらの活動を通して、中身の整理とともに資料の分析と研究もすすめていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は2184円と、26年度の残金として発生したものによる。より有効に活用するため、27年度に繰り越しした。
|
次年度使用額の使用計画 |
27年度はアメリカにおいて学会発表も予定しているため、関係諸費に充当する。
|