ラルテー語はチベット・ビルマ語派チン語支に属するインドの少数言語であり,その話者数は九百人程度にすぎない。近年,ミゾラム州が従来の外国人入域制限を緩和したことで,ラルテー語をはじめとした少数言語を調査する環境は整いつつある。今がラルテー語を調査する絶好の機会と考え,ラルテー語の言語学的記述と記録を行った。 ラルテー語に関する先行文献や言語資料は無きに等しく,ミゾラムにおける現地調査では,基礎語彙を調べることから始まった。これまでの調査の成果としてラルテー語の基礎的な言語資料を公開し,基本的な文法事項に関する論文を執筆してきた。現在は,文法スケッチおよびテキスト集を一般公開する準備を進めている。
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