| 研究課題/領域番号 |
26770139
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| 研究機関 | 新潟大学 |
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研究代表者 |
岡田 祥平 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20452401)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | イントネーション / アクセント / 同意要求表現 / 確認要求表現 / 「とびはね音調」 / 「クナイ」 / Twitter / 新用法 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，音声の諸要素，特にイントネーションやアクセントによる声の高さの動態を考慮に入れつつ，現代日本語文法研究で記述された文法的意味を再検討し，その記述の成果のさらなる精緻化を目指すものである。具体的には，「基本的には書きことばでは使われない」「特定の聞き手へ向けた「聞き手目当て」の表現」（森山2003）である確認要求表現と同意要求表現，なかでも，同意要求の「新表現」とされる「クナイ」（詳細は，高木2009，平塚2009を参照）を取り上げることにした。
本年度は，同意要求の「新表現」とされる「クナイ」の先行研究の記述の確認と，音声収集調査に使用する例文を選定のために，研究代表者が指導する学生たちとともに，（１）Twitterを利用した「クナイ」の用例収集調査，（２）大学生を対象にした「クナイ」の使用意識調査，を実施した。それぞれの調査では種々の結果を得ることが出来たが，ごくごく簡単には，以下のようにまとめることができる。
（１）の調査結果： 「クナイ」には，形容詞の他に，形容動詞，動詞が前接する。さらに，「クナイ」単体で使われることもある。
（２）の調査結果： 女性は「クナイ」を，男性は「クナイ」の音訛形である「クネ」を使用する傾向がある。また，「クナイ」単体で使用される場合は，同意要求表現に対する否定の応答である可能性が高いことが示唆される結果が得られた。
【参考文献】●高木千恵（2009）「関西若年層の用いる同意要求の文末形式クナイ」『日本語の研究』第5巻第4号●平塚雄亮（2009）「動詞肯定形に接続する同意要求表現クナイ(カ) 」『日本語文法』9巻1号『日本語文法』●森山卓郎（2003）「話し言葉と書き言葉を考えるための文法研究用語・12」『國文學 解釈と教材の研究』第48巻
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は先行研究を渉猟しつつ，音声収集調査で使用する例文を作成する予定であったが，本調査の対象表現である「クナイ」の使用実態が詳らかでない点があったため，当初は予定になかった「クナイ」の使用実態を明らかにするための調査を行うことにした。しかし，そのための調査手法の決定までに試行錯誤があったため（結果的にTwitterを利用した用例収集を行うことにした），当初，当該年度に行う予定であった音声収集調査まで着手できなかった次第である。
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| 今後の研究の推進方策 |
当該年度に，本研究の調査対象とした同意要求の「新表現」である「クナイ」の徹底した用例集集調査と分析，考察，また，それをもとにした使用意識についての調査も行えたため，現代日本語文法研究の先行研究にはなかった新知見燃えられたのと同時に，社会言語学的な見地からの考察も行うことが出来た。今後は，当該年度に得られた知見をもとに，音声収集調査で用いる例文を作成し，早急に音声収集調査を行い，当初の目的である，音声の諸要素，特にイントネーションやアクセントによる声の高さの動態を考慮に入れつつ，現代日本語文法研究で記述された文法的意味の再検討，精緻化を目指したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に首都圏で音声収集調査を行う予定であったが，音声収集調査に着手する前段階の調査に想定外の時間がかかり，首都圏での音声収集調査を行うことが出来なかったため，首都圏への調査旅費と音声収集のための機材購入費に予定した予算が次年度使用額として生じてしまった次第である。
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| 次年度使用額の使用計画 |
次年度に，当該年度に予定していた首都圏で音声収集調査を行う。当該年度にじ年度使用額については，そのための旅費と，機材購入費として使用する。
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