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2015 年度 実績報告書

Phonological representation of Japanese segments in theory and action

研究課題

研究課題/領域番号 26770141
研究機関神戸大学

研究代表者

Pinter Gabor  神戸大学, 大学教育推進機構国際コミュニケーションセンター, 准教授 (30580691)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード音声認識 / 音韻論 / 音韻表示 / 不完全指定 / underspecification
研究実績の概要

本研究の目的は日本語の子音の音韻表示を音韻論(言語理論)、聴覚(認知?心理学)、自動音声認識(音声工学)の3つの側面から観察し、この3分野で共通して使用できる音韻表示モデルの構築である。研究プロジェクト2年目は、聴覚実験の実施、自動音声認識モデルの開発、人間と機械の音声認識比較を目標としており、この目標を計画通り達成し、人間と機械による音声認識を比較する新たな実験の枠組みを構築することができた。
聴覚実験課題には、日本語の歯擦音/s/と/sh/が語末に生起する場合の識別課題を被験者に出題した。語末の子音認識では、後続母音をヒントにすることができないため、文脈に依存しないGaussian Mixture Model(GMM)によるモデル化が適切だと考えられる。課題文にはGMMの学習データに『日本語話し言葉コーパス』から抽出した8万の歯擦音を使用した。人間の聴覚と機械の音声認識力の比較のために、/s/から/sh/に変わる連続体を合成して作成し、被験者に対して聴覚実験を行い、同じ刺激音を様々なパラメータで学習させたGMMモデルにも認識させた。人間と機械の類似性を測るために、/s/と/sh/の認識正答率の算出にくわえて、曖昧な子音も含めた連続体全体に対する認識プロファイルの相関性の比較方法も確立させた。この新しい比較方法は2015年9月の国際学会International Conference on Phonology and Phonetics (ICPP)でポスター発表した。さらに、聴覚実験の被験者を60人以上に増やし、様々な特徴ベクター(MFCC, PLP, 音声素性)や混合数を用いてGMMを学習させた。この分析結果まとめて2016年9月開催予定の国際学会InterSpeech 2016に投稿した。
本研究は、計画した3年目まで継続しなくても、人間と機械による音声認識を比較する新しい方法論を提供し、文系と理系を繋げるアプローチの実例として、学際成的な研究にも刺激になりうるようなものであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Consonant representations in Japanese phonology2015

    • 著者名/発表者名
      Pinter, Gabor
    • 雑誌名

      Folia Japonica Budapestinensia

      巻: 1 ページ: 189-196

    • 国際共著
  • [学会発表] Perceptual model evaluation using non-categorical data2015

    • 著者名/発表者名
      Pinter, Gabor and Watanabe, Hiroki
    • 学会等名
      International Conference on Phonology and Phonetics 2015
    • 発表場所
      慶應大学
    • 年月日
      2015-09-25 – 2015-09-27
    • 国際学会
  • [学会発表] Approximating sibilant perception in Japanese usng ASR techniques2015

    • 著者名/発表者名
      Pinter, Gabor
    • 学会等名
      Tokyo Circle of Phonologists
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2015-05-30
  • [学会発表] Word final sibilant perception by Japanese and machines2015

    • 著者名/発表者名
      Pinter, Gabor
    • 学会等名
      Phonology Association in Kansai
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2015-04-18

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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