本課題では言語主体の記憶領域で行われる情報・知識の処理についてモデルを仮定し、シベ語の文法要素の記述・分析を行った。そして、主に (1) 意志を特殊な種類の知識と見ることにより、話し手の非意図的行為を表す補助動詞 aci-、dudu-、seNda- の意味を体系的に記述し、また話し手の意志を表す動詞接辞 -mi との組み合わせが可能なモダリティの制約に説明を与えることができること、(2) 情報・知識の処理や記憶領域内での状態変化に要する時間を仮定することにより、モダリティを表す要素が副次的に持つテンス的性質に説明を与え、シベ語のテンス・アスペクトを体系的に記述できること、の2点を明らかにした。
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