研究課題/領域番号 |
26770150
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
金 アラン 上智大学, 言語教育研究センター, 助教 (90711135)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 日韓対照 / 敬語 / スピーチレベル / 親密度 / RCI |
研究実績の概要 |
日韓語のスピーチレベルは、年齢や地位のような縦の関係や親密度のような横の関係によって使い分けられる。このうち、親密度は主観的なパラメータとされ、言語学には親密度を測定できる尺度が存在しない。本研究では、心理学のRCI(Relationship Closeness Inventory)を言語学に適用できる形にし、親密度がスピーチレベルの使い方にどう影響を与えているかを明らかにすることを目的とする。そのために、平成26年度にはまずBerscheid et al.(1989)のRCIを参考に、(1)一緒に過ごす時間(頻度)、(2)一緒に行なう活動領域の数(行動の多様性)、(3)お互いの日常的な行動・決定・計画・目標に影響を与える程度(影響の強さ)を基準とし、親密度に関するアンケートを作成した。その際、SNSの普及を反映した設問も新たに加えた。 また、以前収集した自然会話、及び映画のシナリオをデータとし、日韓語におけるスピーチレベルの現れ方について分析した。その結果を学会で発表し、学術誌に論文を投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RCIに基づいた親密度に関するアンケートを作成した。アンケート作成にあたり、日韓語で違いが見られるパーソナル・テリトリーに対する意識やSNSの普及によるコミュニケーションのあり方の変化にも注意を払った。平成26年度中に作成したアンケートを実施するのが当初の計画であったが、文献調査やアンケートの作成に予想していたより時間がかかり、まだ実施できていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の上半期にアンケートの予備調査を行なう。必要に応じて修正を加えた上で本調査を実施する。また、アンケート協力者のうち、数名を対象に親密度と敬語使用に関するインタビューを行なう。これらの結果に基づいて、日本語母語話者と韓国語母語話者の自然会話を収集し、日韓語のスピーチレベルが親密度によってどのように使い分けられているかを分析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたアンケートの実施が遅れている。そのため、アンケートに関わる謝金の支出、及び統計プログラムの購入分を次年度に繰り越すことになった。
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次年度使用額の使用計画 |
アンケートの協力者への謝金、統計プログラムの購入に充てる計画である。
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