研究課題/領域番号 |
26770151
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
芝垣 亮介 南山大学, 外国語学部, 准教授 (70631860)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 意味論 |
研究実績の概要 |
2014年度、申請者は英語、日本語、モンゴル語、韓国語、中国語における2次述語理論分析を研究目的としていたが、特に英語、日本語、モンゴル語、において一定の成果が収められた。 各言語内での理論分析は随時進めているが、その中でも2次述語を表現する節の大きさに注目し比較検討した。節の大きさは時勢を含むかどうかという観点で分類しており、2次述語の表すイベントの時勢概念がどこから生まれるのかという点について上記の3言語の分析結果を照らし合わせた。 方法としては、研究実施計画通り、夏季休業中に渡英しSOAS, Univresity of London(ロンドン大学東洋アフリカ学院)、およびUniversity of York(ヨーク大学)を訪れ現地の研究者と議論し、また現地で資料調査を行った。 結果として、ある言語において2次述語を用いてその分の第二のイベントを表現するとき、時勢投射を含む節を用いるのか、あるいはそれを含まない節(小節)を用いるのかで文法的な差異が現れることがわかった。具体的には、これまでは結果構文と描写構文において2つ目のイベントの発生時を差別化する理論は存在しなかった。しかし類型論的に分析することで、この事象に関する法則に一定の方向性が見えた。またこの文法的な差異から予測される理論はその言語のほかの事象の振る舞いも予測できるものであると考えている。それは節内における主語の認可のシステムや各項の格の認可のシステムである。今後はこれらについても研究を進めたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究成果の一環として論文1点を刊行することになったが、当初の研究目標そのものはまだ論文としてまとまっていない。研究計画ではデータ収集のためドイツへの訪問を予定していたが、共同研究者の個人的事情により共同研究が難しい状況となったため、急遽理論分析のできる英国への訪問に切り替えた。
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今後の研究の推進方策 |
現在「Studies in Philosophy of Language and Linguistisc」シリーズのうちの1冊として刊行予定の「Theory of Predication(仮)」の一章として研究成果を出版するべく研究を進めている。この研究を一層推し進めるため、当初の予定通り、統語論、意味論の領域で卓越した理論を有しているPeter Sells教授(University of York)との共同研究や、アジア関連の書籍において世界有数の機関であるロンドン大学東洋アフリカ学院への訪問を計画している。 また、次年度使用額として約5000円が生じているが、これはこの金額で購入できる必要な図書の選定が難航したことが主な理由であり、次年度予算を取り崩すか、次年度に持越してのみ有効活用ができたため、今回は後者を選択した。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた図書の購入を見送ったため。 [理由] 5,014円が生じているが、これはこの金額で購入できる必要な図書の選定が難航したことが主な理由であり、次年度予算を取り崩すか、次年度に持越してのみ有効活用ができたため、今回は後者を選択した。
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次年度使用額の使用計画 |
予定通り図書を購入する
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