研究課題/領域番号 |
26770156
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
加藤 祥 (保田祥) 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, プロジェクトPDフェロー (40623004)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 対象物認知 / コーパス研究 / テキスト情報 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、平成26年に取得したデータの分析を進めるとともに、これまでの調査結果から対象認識に重要な要素を抽出することを目指した。特に、データの分析にあたっては、実験結果に現れた様々な現象が何に起因するのかを確かめ、動物(名詞)に限定されない汎用的なモデルの抽出を試みた。 今後、汎用的と考えられるモデルを適用させた情報記述について、検証実験を進めることを予定している。また、対象物を認識するために重要な要素がテキストのどのような要素であるのか、語彙レベルに限らない調査へと発展させたい。 これらの途中経過と得られた成果は、国内外への発表を行っている。平成27年度は、ICLC13th(平成27年7月)、日本認知科学会第32回大会(平成27年9月)で発表した。また、『国立国語研究所論集9』(平成27年7月)に論文が掲載された。次年度にも学会発表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の取得データの分析結果により、本課題の計画当初とは異なる展開が必要となった。そのため、新たなデータの取得を行うよりも、取得データの分析と汎用モデルの考察に注力した。分析結果をもって実験計画を再作成する必要が生じたため、平成27年度に実施を計画していた調査と実験は終了しなかった。これから汎用モデルを用いた検証実験を行う予定である。但し、本年度までのデータ分析については学会発表や投稿論文で報告している。本年度の実施計画は遅れているということになろうが、本課題の研究目的に応じた成果が順調に得られているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、平成26年度に取得したデータと平成27年に進めた分析の結果を基に、検証実験と発展的な調査に取り組むことを予定している。具体的には、成果物として、対象認識に重要な要素を特定し、それらの情報提示を効果的に行うテキストの作成を試みる。また、研究成果は国内外の学会で報告を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の取得データ分析を中心としたため、実験計画を変更した。そのため、実験を予定していた謝金の使用を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、これまでの成果に基づく検証実験を行う。そのため、被験者実験のための謝金費用が必要となる。また、既に決定している海外発表(英国)や国内発表の旅費に使用する。
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