訓仮名認定の恣意性を回避するため、そもそもの文字と訓の定着度、頻用による常用化について、用例数を計測するだけではない方法を模索した。そのひとつとして、音仮名の連続中に存在する孤立的な訓仮名を追跡し、かつその字母が音(オン)としてどのように使用されるかなどを詳細に調査し、訓仮名の認定を行っていった。これにより訓仮名にも多様性があることが判明し、たとえば訓字の定着的使用が前提になるといった想定は、もちろん当然ではあるけれども、その訓字の定着度をそもそもどう計るのかということに立ち返って研究する必要性が判明した。従来の訓仮名認定および研究はこの点で更新される必要がある。
|