研究実績の概要 |
平成29年度は、削除文において移動操作にかかる制限について統語分析を行った。特に、削除部分と話題化要素の統語・意味的類似性に基づき、削除要素は統語部門において話題化移動すると仮定することで、削除部からの抜きとりに関する制限を統語分析した。その成果を、日本英文学会第89回大会シンポジウムで口頭発表するとともに、論文"Ellipsis as Topicalization in Derivational Cartographic Structures" (English Linguistics 34 (2)として投稿し、掲載された。また、国立シンガポール大学の佐藤陽介准教授と日本語のParticle Stranding Ellipsisについて共同研究し、その成果をThe 19th Seoul International Conference on Generative Grammar、The 25th Japanese/Korean Linguistics Conferenceなどで口頭発表した。さらに、日本語の項削除に関して、項削除された要素にかかる移動制限を明らかにし、国立シンガポール大学での招聘講演や、日本英文学会九州支部第70回大会で口頭発表した。また、日本語の名詞句削除に関して高橋大厚教授と共同研究し、 "Further Notes on NP-Ellipsis in Some Dialects of Japanese” としてNanzan Linguistics 12に投稿した。さらに、日本語のコントロール文における非顕在的主語が終助詞により認可されると統語分析し、その成果を大分大学での招聘講演や国際ワークショップCurrent Issues in Comparative Syntax: Past, Present, and Futureで口頭発表した。
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