本研究では、削除部分と話題化要素の統語・意味・音韻的類似点に基づき、削除される要素はまず話題化移動することにより派生されると分析した(cf. Johnson 2001)。このような削除の話題化移動分析により、削除部からの抜き取り制限を移動要素からの抜き取り制限と同様に分析することが可能になる。特に、削除と移動の介在効果を移動要素間に見られる相対的最小性の原理に還元することを試みた。本分析により、英語のshort answer、 sluicing、スペイン語のsplit questionsなどの削除構文における要素の抜き取り制限を統一的に説明した。
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