研究課題/領域番号 |
26770177
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 真紀 東北学院大学, 教養学部, 講師 (60589711)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 年少者日本語教育 / 言語少数派の子ども / 教員養成 / 特別の教育課程 / 教科・母語・日本語相互育成学習モデル / 質的研究 / 学校と地域の連携 / 学習支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、新たに始まったばかりの、日本語指導が必要な児童生徒への「特別の教育課程」の編成と実施を見据え、母語指導を視野に入れた教員養成モデルの構築を目指したものである。具体的には、日本語指導が必要な子どもが在籍する公立中学校をフィールドで、地域のボランティア団体に所属している教員志望の学生と中学校の教員が連携し、母語を活用した学習支援プロジェクトを継続的に行っていく。プロジェクトの計画・課題特定・課題解決・評価という一連のプロセスを通して、参加者がいかなる資質を獲得していくかを継続的に追及していく。 初年度は東京都のある公立中学校の協力のもと、母語を用いた学習支援プロジェクトチームを立ち上げ、約15名の子ども達を対象に、週1回の学習支援を行った。同プロジェクトには、学校教員3名と地域ボランティア約10名が関わっている。2年目にあたる平成27年度は、前年度より継続して学習支援を週1回のペースで行い、学習支援場面のやりとりおよび参加者の内省をデータとして収集した。また、ボランティア団体に参加しているメンバーへのインタビューを行い、意識調査を行った。2年目の終わりに、プロジェクトメンバーであった学校教員の大幅な異動や地域ボランティアの新加入等があったため、3年目はそのような現状を踏まえつつ、新たな参加者がどのような資質を見出していくかをさらに追及していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の異動があり遠方になったため、学習支援に付随する打ち合わせ等が頻繁に持てなくなり、当初の予定よりやや遅れが生じている。しかしながら、初年度に立ち上げたプロジェクトの見直しを行い課題を整理した上で、2年目も継続した学習支援プロジェクトを行いデータを収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の終了時にプロジェクトの一員である学校教員の異動やボランティアの新加入等があり、メンバーの入れ替わりが生じた。このようなことは学校教育現場ではよく起こりうることである。このようにメンバーが変わる状況の中で、新加入のメンバーがどのような経験を通し、どのような資質を身につけていくのかを明かにすることは現実的な課題であり、現場に提供できるものも大きいと考える。そこで、今後は、新メンバーを対象に、彼らがプロジェクトを通して何を見出していくのかを追及していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学習支援で使用する教材作成や翻訳文作成等に謝金を支払う予定だったが、昨年度は参加する子どもの母語が中国語が多かったため、既存の教材のマイナーチェンジで済み、人件費・謝金が予定より少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
1)新たに学習支援に参加する子どもがいること、また国語の教科書の改訂が行われたことを受け、次年度は教材作成や翻訳文作成等を積極的に行い、それに関わる協力者に対して謝金を支払う。また、収集してあるデータの文字化も必要であるため、これにも協力者へ謝礼を支払う予定である。 2)研究代表者が異動になり、拠点が東京から仙台になったが、フィールドは変わらず、プロジェクトも継続して行うため、研究代表者に旅費に前年度からの持ち越し分を使う予定である。
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