研究課題/領域番号 |
26770190
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
笹尾 洋介 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (80646860)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 英語教育 / 語彙習得 / 接辞 / 文脈からの推測 / 診断テスト |
研究実績の概要 |
本研究は,より効果的な英語語彙学習・指導法の開発を目指して,日本人英語学習者の英語語彙学習力(語彙学習を効率的に行うための知識・スキル)の調査を行うことを主目的とする。平成27年度は,英語語彙知識と語彙学習力との間の関係を調査するために,前年度に作成した語彙テストを実施した。具体的には,Paul Nation氏が開発したVST (Vocabulary Size Test) bilingual Japanese versionと,Sasao (2013) をもとに作成したWPT (Word Part Test) とGCT (Guessing from Context Test) を,日本人大学生を対象に紙媒体で実施した。その結果,VSTで測定される語彙知識(語の形式と意味の関係性に関する知識量)と,WPTおよびGCTで測定される語彙学習力の間には強い関係性が見られることが明らかとなった。 また,オンライン上で効率的なデータ収集および迅速なフィードバックが可能となるようにWPTのCAT (Computer Adaptive Test)化を試みた。予備調査を実施した結果,CAT化することによって,紙媒体で実施するよりも少ない質問項目で信頼度の高い結果を得られることがわかった。また,調査の段階で,WPTに使用される例語や選択肢を変えても,項目難度への影響がほとんどないという結果が得られた。これはWPTの妥当性を示す一つの証拠と考えることができる。 さらに,次年度の研究課題である語彙学習力への指導の効果検証の調査準備として,接辞の知識と文脈からの推測能力の指導に関する先行研究を整理した。通常の英語授業では,十分な語彙指導を行う時間的余裕がない場合が多いため,授業外時間に自学自習できるタスクの作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度に調査予定であった英語語彙知識と語彙学習力との関係性に関する実証データの収集が計画通り完了した。また平成28年度に予定している指導の効果検証に関する準備も計画通りに完了した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画当初は,対面指導による効果検証を行う予定であったが,通常の英語授業においては語彙指導に割くことのできる時間が極めて少ないため,対面指導を実際の授業に導入するのは現実的に難しいということが,調査を進めるに従い明らかとなった。よって,学習者が自学自習により学習を進められるタスクの開発を行い,その効果検証を行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年8月と平成28年3月に開催された国際学会に出席予定であったが,校務のため出席できなかった。そのため,旅費の一部を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は国際学会に出席し,研究成果の発表を行う予定である。
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