本研究は日本人大学生の英語発話能力の向上を目的とした。日本人学習者にとって、スピーキング力は最も困難な技能であると思われる。コミュニケーション・インプットが極端に少ないEFL環境では学習者の発話はどのように発達できるのか、授業実験を行った。筆者が行った先行研究において論文執筆能力を向上させるために、ピア・フィードバックの導入が有効であることが示された。先行研究の結果に基づき、本研究はフィードバックが発話への影響を考察した。大学生一年生約100人を一つの対照群と二つの実験群、三つのグループに分けた。実験期間は七週間であった。毎週授業では被験者は四コマ漫画ナレーションを英語で二回行い、発話を録音した。実験群は二回のナレーションの繰り返しの間にピア・フィードバックあるいは教員によるexplicit focus on form instructionを受けた。Pre-test とPost-testを利用し被験者の発話を縦断的に調査した。被験者の発話の流暢さ、正確さと複雑さ(CAF)の観点から分析を行った。七週間の実験期間の後、被験者の全員の英語力が向上したことが分かった。更に、ピア・フィードバックを受けた被験者は対照群流の被験者より、CAF (暢さ、正確さと複雑さ)が全部成長した。Explicit focus on form instructionをうけた被験者と比べると、ピア・フィードバックをうけた被験者の方が正確さの成長がやや低かった。にもかかわらず、ピア・フィードバックをうけた被験者の英語に関するanxiety 及びself speaking efficacyがpositively変わったことが分かった。英語発話能力の育成に向けてピア・フィードバックの影響が有効であったことが分かった。
|