本研究の目的は統語論インターフェイスを中心とした、空間表現としての前置詞習得の研究を推し進め、統語レベルと語彙レベルの独立した問題を総体的に把握し、前置詞の習得過程を実証的に解明することである。知覚・産出実験の結果、I)統語レベルでは、前置詞の役割理解がコンテクストとなる動詞句の項構造に敏感であり、II)語彙レベルでは、前置詞が表す空間が制限的であるかが重要であり、III)インプット量がさほど影響を与えないことがわかった。また、ダイナミックな事象を描写するアニメーション動画を用いた、前置詞の効果的な学習法の開発にも取り組み、学習者にとって比較的馴染みの薄い前置詞に特に効果が見られた。
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