最終年度には、研究実施計画に基づき、データ分析を終了させ、その結果を国内・国際学会で発表、また論文として査読付き国際学術誌へと投稿・出版することを目指した。
1.研究結果:研究結果としては英語圏に滞在し、日常的に英語を使う上級者から、日本国内の英語教育のみを受けた初級・中級者まで、多くの日本人英語学習者のスピーキングデータを取集し、またそれを発音・流暢さ・語彙・文法の3点から分析を行った。また発展研究として、日本人英語学習者の英語スピーキング能力を、モノリンガルネィティブスピーカーだけではなく、マルチリンガル(様々な言語を日常的に使う話者)や、ESL教師など、アクセントに寛容なレーターを採用しデータを比べた。さらに少人数のボランティア大学生を対象に、様々なトレーニングプログラムを受講してもらい、どれだけ短期間でスピーキング能力を向上させる事が出来るか解明した。特に後者は将来の発展研究の土台となる貴重な結果をもたらした。
2.国際学会・論文発表:これらの研究結果を2015年5月に外国語教育メディア学会関西支部シンポジウム、そして同年8月に、ヨーロッパ応用言語学会(フランス)にて論文発表を行った。上記の研究結果をテーマ別にまとめて、合計10本の論文を作成し、それらを全て査読付き国際学術誌へと提出した。現在は査読結果を待ち、また校正を行い、論文の最終出版へと備えている。トレーニングプログラム関連の論文はLanguage Learning (Wiley-Blackwell)とModern Language Journal (Wiley-Blackwell)より2016年、2017年度に出版されることが決まった。他の論文も査読が終了、そして受理され次第、随時主研究者のホームページにて情報を公開していく予定である。
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