研究実績の概要 |
本年度は、スピーキング能力の自動判定器の試作を行った。その判定器の目的は、英語学習者による話し言葉を自動評価すると同時に、学習者の習熟度推定に寄与する言語項目を特定することである。実験データは、日本人英語学習者1,281人の話し言葉コーパスであり、習熟度情報が付与されたNICT JLE Corpusである。このコーパスに付与された習熟度情報をクラスとし、Biber (1988) によって分析された言語項目を特徴量とした。習熟度推定に用いる手法は、ランダムフォレストとした。判定実験の結果、61.28%の精度で学習者の習熟度を正しく推定することができた。また、推定に寄与した言語項目は、総語数、異語数、前置詞、時制、1人称代名詞などであった。 上記の結果、そしてそれに関連する研究の結果として、Applied Linguistics Association of Korea (ALAK) 2014で"The similarity and difference between human scoring and automated scoring"、5th Conference on Language and Technologyで"Computer-aided error analysis of L2 spoken English: A data mining approach"を報告し、言語教育関連、情報処理関連の研究者から有益なフィードバックを多く得た。
|