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2015 年度 実施状況報告書

種子島史料の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26770225
研究機関名桜大学

研究代表者

屋良 健一郎  名桜大学, 国際学群, 准教授 (40710158)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード史料調査 / 日本史 / 古文書 / 家譜
研究実績の概要

本研究は、種子島を中心に、大隅諸島で史料調査を行い、そこで得られた史料の翻刻、読解を通して、同地域の人々が日本国内の諸地域および外国とどのような交流をもっていたのかを明らかにすることを目的としている。
平成27年度は、平成26年度に収集した史料を用いて研究発表を行った。その主な内容は以下の通りである。
まず、種子島に存在する近世史料を見ていくと、現在、「種子島家譜」で知られている以上に、琉球の高官と種子島家との間で書状がやり取りされていたことが分かる。種子島が琉球船の寄港地であったことや、漂着船の保護・送還を通して琉球・種子島間に交流があったことが、その背景にはある。また、薩摩滞在中の琉球人が種子島家の家臣たちとの交流の様子も、家臣が記した史料から窺い知ることができる。これまで、種子島を研究する際には「種子島家譜」ばかりが注目されてきたが、本研究で調査・収集してきた史料からは、「種子島家譜」では見えてこない種子島・琉球間の交流を知ることができる。
さらに、「種子島家譜」をはじめとする「家譜史料」(本研究で便宜的に分類)に分類される史料間の記述の違いを検討した結果、種子島家の主君である島津家への敬意の表現の仕方に差異があることが分かった。また、「種子島家歴史譜写録抄」「御家記」といった史料には、「種子島家譜」には記述されなかった出来事が記されており、「種子島家譜」(及びそのもととなった「種子島譜」)の編纂にあたっては、ある基準のもとで収録記事の取捨選択が行われたことが窺える。これらの問題は、種子島家と島津家との関係の変化によって起きたものと考えられ、より詳細な研究を次年度に行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度には、本研究課題の中心となる「家譜史料」に関する研究発表を行ったり、一般市民向けの文章を執筆したりすることで、研究成果の一端を研究者や地域に向けて示すことができた。しかし、「家譜史料」の翻刻やそれに基づく研究論文の発表には至らなかった点は反省される。

今後の研究の推進方策

平成28年度には、「家譜史料」の翻刻や研究論文を発表する予定である。また、研究成果を種子島の市民に伝えるためのシンポジウム開催(平成29年度を予定)に向けた準備を進める。

次年度使用額が生じた理由

平成27年度は、研究成果の発表に重点を置いたため、新たな史料調査の時間を充分にとることができなかった。そのため、当初予定していたよりも旅費の支出が少なかった。

次年度使用額の使用計画

平成28年度には、史料調査や研究成果を発表するシンポジウム(平成29年度を予定)の準備のために種子島を数回訪れる予定である。その旅費に充てることとする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 江戸時代の種子島と琉球・薩摩2015

    • 著者名/発表者名
      屋良健一郎
    • 学会等名
      開南大学応用日本語学科・名桜大学国際文化専攻国際シンポジウム「沖縄/日本の歴史・文化・共同体と国際環境」
    • 発表場所
      開南大学
    • 年月日
      2015-10-22

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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