研究実績の概要 |
本研究の一義的な目的は、国文学研究資料館所蔵『徴古雑抄』190冊の収録文書の目録化である。したがって国文学研究資料館図書館において、『徴古雑抄』を熟覧し、収録文書1点ごとの目録作成を進めた。過去2年間の調査において、全190冊のうち、合計163冊、文書点数14,953点の目録編制作業を終えることができた。残る27冊の内容目録作成が、最終年度たる本年度の課題となる。 本年度は、残り27冊1,266点を調査し、また全体の見直しを行った。これにより、全190冊、収録文書点数16,219点の仮目録作成を終えた。ただし、この数字には重複もみられ、収録文書展数はまだ厳密には確定していない。見直しについても完全に済んではおらず、文書名が未定のものや、差出人などの文字が判読できず、空欄となっているものもある。 したがって最終的な目標である、完全目録の作成とDVD-R配付やインターネット公開については、今後個人調査で進めていく予定である。 次に、第二の目的である『徴古雑抄』がどのように編纂されたのかを明らかにするため、収録文書に関する原本調査を行った。平成28年度は、長野県立歴史館・真田宝物館・上田市立博物館(以上長野県)、館山市立博物館(千葉県)を対象とした。ただし所蔵者との日程調整がつかず、調査を先送りにした文書史料も複数存在する。これらについても、個人調査で補って進める予定である。 以上にまとめたように、本研究の目的のうち基礎となる調査はすべて達成することができた。しかしより完全を期するため、個人調査をもって、平成29年度中に改めて成果を整理し、公開を行いたいと考える。
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