南信州(主に飯田・下伊那)地域における領主たちの動向について、飯田藩や交代寄合信濃衆に関する基礎的事実の解明・分析を中心を明らかにした。そうして得られた事実により、飯田藩をはじめとした領主権力の在り方と地域社会の構造や動向、中央政局の展開などとの関連についても明らかにすることが出来、京都をはじめとした領外の都市との関係についても論じることが出来た。そうした成果によって、この南信州(特に飯田・下伊那)という地域が、領有関係の錯綜や中央の政治状況等によって、領主権力とともにそのあり方を大きく規定されていることが明らかとなり、畿内や駿遠地域等との比較検討も行うことが出来た。
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