朝鮮が清に行った国際貿易の管理政策を明らかにすることを目的とし、中朝貿易関係の公刊資料、台北・ソウル・北京等所蔵の未公刊資料の調査を行った。その結果、朝鮮の対清貿易政策が対明貿易政策から何を継承し、継承していないかという点(従来の研究では明代と清代に分断して研究を行う傾向があった)を明確にすることができた。1637年の丙子の乱後に、朝鮮は対清貿易において対明貿易政策のほとんどを継承したものの、明代にはそれほど行われなかった開市(互市)が広がった過程を明らかにした。さらに1644年の清入関後には清朝が、明朝と違って朝鮮使節がもたらす薬用人蔘に抑制的で、朝鮮もそれに対応したことを示した。
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