フランス革命期にパリのルーヴル宮に創設された共和国美術館(後に中央美術館、ナポレオン美術館)の展示には、封建制のしるしの排除をはじめとする革命の論理を読み取ることができる。だが、1801年のシャプタル令により各地方に地方美術館が創設され、中央から地方に美術品が送られるネットワークが形成されると、中央の展示の論理は地方美術館との相関によって作られるものとなっていく。美術館における展示は、中央・地方とも、必ずしも政治性に支配されていたわけではなく、美的配慮や地域性も考慮された。また展示方法等は革命によって必ずしも刷新されたわけではなく、伝統や慣習の残存も認められた。
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