本研究は、19世紀後半から20世紀前半のイギリスにおける身体観・疾病観・死生観の変化を分析することを目的とし、具体的には現地調査を通じて体温計の利用法という事例を検討した。その結果、体温計の利用は、技術的発展、マーケティング技法の発展、1918-19年インフルエンザという新規感染症への恐怖、家庭看護を女性のジェンダーとする文化を要因とすることを確認した。この知見は、医療の社会史学会大会(於ケント大学;平成28年7月8日)にて口頭報告し、平成29年度には国際学会誌East Asian Journal of Science and Technologyに論文として投稿し、現在審査が進められている。
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