本研究では、ドイツ(旧東西ドイツ)での実地調査を複数回にわたって実施した。東西ドイツの戦災トラウマと復興の変遷について公文書・新聞雑誌を用いて考察した。この成果は、口頭発表および論稿としてまとめあげて公刊した。とくにプフォルツハイム市での調査を実施し、公文書館での調査および慰霊祭の踏査について成果報告した。また日本の空襲研究・証言収集活動の最大組織のひとつである「空襲・戦災を記録する会全国連絡会議」では、日本の研究・活動者に対してドイツの戦後の空襲をめぐる問題の状況を伝えることができた点が最大の成果だと考えている。今後も広く一般に向けて、戦後の空襲記憶のあり方を問う予定である。
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