本研究では黒曜石製石器の原産地解析システムを完成させるため,次のことを実施した。①長野県広原遺跡群,隠岐島後高丸遺跡・宮尾遺跡についてのそれまでの発掘調査で得られた石器資料から原産地分析を行うものを選定し原産地判別の実践資料とした。②長野県霧ヶ峰地域,隠岐島後地域,長崎県壱岐,佐賀県腰岳の黒曜石原産地調査を行った。③これらの地域の調査で採取したものについて,波長分散型蛍光X線分析装置を用いた定量分析を行い,原産地判別のための基準資料を定めた。④国際共同研究として実施していた北海道白滝周辺の黒曜石原産地の資料を用いた原石と分析データの相互検証を行った。
|