本研究では、東アジア地域の織物技術体系復元と、織物交流の様相からシルクロードの文化交流の実態解明に取り組んだ。ブリヤート、モンゴルなどから出土した資料を調査し、日本や中国出土資料との比較を進めた。その結果、中国製織物、西方製織物・刺繍などを確認し、豊かな織物文化が形成されていたことが分かった。突厥墓出土の西方製・中国製の絹織物の中には、我が国の正倉院所蔵の錦と同じものを確認した。シルクロード地域でよく見られるような、宝相華文や連珠円文などの多くの絹が、北方にまでもたらされていたことを示す重要な成果を得た。
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