研究課題/領域番号 |
26770280
|
研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
小田 隆史 宮城教育大学, 附属防災教育未来づくり総合研究センター, 准教授 (60628551)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 災害 / 自主防災 / 合意形成 / レジリエンス / 脆弱性 / インクルーシブ / サンフランシスコ / アメリカ合衆国 |
研究実績の概要 |
前年度末に実施した現地調査において関係機関(サンフランシスコ市消防局・地域緊急対応チーム調整担当消防司令補,サンフランシスコ市危機管理局渉外官,サンフランシスコ市人材開発プログラム部長,カリフォルニア州知事室緊急サービス室地震津波プログラム担当官,カリフォルニア州地質調査所研究官,在サンフランシスコ日本国総領事館領事,北カリフォルニア日本文化コミュニティセンター職員,全米日系歴史協会等のNPO等)から得られた,マルチステークホルダーによる防災ガバナンスに関する現状や課題に関して論文化に向けた整理・分析を行なった。 また,仙台市地域防災リーダー(SBL)らが参加するワークショップ(於・東北大学災害科学国際研究所)において,本研究事業を通じて得られた研究成果を発表の上,討議を行なった。米国における災害リスクガバナンスの展開と課題について,仙台および周辺に在住するコミュニティ防災の実践者や行政実務者らと情報共有することで,本事業の社会還元にかかる所期の目的を達成できた。 これまでの研究を通じて,従来の防災に関する研究では先進都市の内部にみられる格差と自然災害に脆弱な街区との相関に着目してミクロな分析を施した研究は限定的であること,また一方で,社会地理学研究においては,災害リスクに直接焦点を当てたものも過少であるという問題意識を高め,マイノリティ貧困層への多重剥奪等,インナーシティ問題と災害リスクとの相関の理解を通じて,都市の災害リスクをいかにして,どの程度軽減できるか精緻に検討する「ボトムアップ」式の実証研究アプローチの必要性を見出し,今後の研究展開の射程を精査することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで実施したフィールド調査(資料収集、聞き取りほか)を踏まえて所期の論文執筆を行う準備が整いつつある。必要に応じて追加的にフォローアップ調査を実施する。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の成果を査読付学術論文等で発表し,分析内容の公開討議を行う。また追加調査や国内や現地の専門家からの指導助言を得たり,国際学会での討議を行ったりして本課題研究の質的改善を図り,本研究の最終成果到達に向けて研究を遂行する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
補助事業での成果をより精緻かつ効果的に達成するため,これまでの現地調査及び文献収集を踏まえ,他の研究者からのアドバイスを加味し,一部研究計画を変更し,さらに追加の調査を実施することとした。 また,研究遂行の過程で,さらなる現地期間からのデータ収集が必要となったため,拙速を避け,当該機関との事前の調整を十分行なった上で,短期間の現地滞在中に効率的にデータ・資料収集が行えるよう調査計画を一部見直したため。
|
次年度使用額の使用計画 |
現地最終調査,資料,データの補完,研究成果の公開(英語,日本語での論文投稿等)を行うために,残余の経費を充てる。
|