研究課題/領域番号 |
26770282
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
久保 倫子 岐阜大学, 教育学部, 助教 (00706947)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 住宅地 / 居住環境 / 維持管理システム / 都市 / 地域コミュニティ |
研究実績の概要 |
本年度は、海外都市で住宅地が抱える問題とその対策についての文献調査、ヨーロッパおよび北米都市における住宅地開発や住宅地の維持管理システムの現地調査、欧米の研究者らとの意見交換と学会発表を行った。また、国内都市についても、地方都市における中心部と郊外住宅地の居住環境悪化(高齢化にともなう地域コミュニティの弱体化や空き家の増加など)に対する地域住民の対応などについての調査を実施した。 8月には国際地理学連合(IGU)都市地理コミッション大会に参加し、カナダおよびヨーロッパの研究者らと現地の都市開発、住宅地開発の視察を行うとともに、これまでの国内外での研究成果を発表し議論を深めた。その結果、日本の住宅地が直面している住宅地の維持管理システムの欠如による居住環境の悪化や空き家の増加などの、住宅地の持続性に関わる問題が顕在化している欧米都市の研究者(スペイン、アイルランド)と有意義な意見交換をすることができ、今後の共同研究につなげるように調整することとなった。また、9月にはアメリカのシカゴで開催された国際社会学会(ISA)RC43(Housing and the Built Environment)大会に参加し、住宅問題や公営住宅のコミュニティなどを専門とする現地の研究者と住宅地の維持管理に関する議論を行った。 結果として、国際学会での研究発表を3回行い、査読無し論文を5本、単著と編著を各1冊のほか、書籍原稿を4本公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたカナダの都市における現地調査は来年度以降に集中的に行うことになったが、欧米の研究者らとの議論を深める中で、日本の都市と同様の問題を抱えるスペイン、アイルランド、イギリス、アメリカの都市との比較研究を進めるための予備調査等を行うことができたため、全体としては順調に進行していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、これまでに予備調査を実施した欧米の都市において、本格的な現地調査を実施する。当初予定していた住宅地の維持管理システムについての調査だけでなく、住宅地の持続性に関わる各都市の抱える諸問題とその対応を行政、地域社会、住民のレベルで整理し、日本の都市に応用できる点を導く予定である。
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