研究課題
日本国内の都市(岐阜市、可児市、豊橋市等)における居住環境と住宅地の維持管理に関する実態調査や空き家等の高齢化やシュリンケージに伴う生活環境の変化に関する調査を実施した。さらに、カナダのトロント、バンクーバーに滞在して現地調査を実施した。カナダでは、住宅地の維持管理や住宅地の変化の様子を明らかにするため、都心再開発と郊外住宅地開発(トロント)、外国人の住宅取得税や空き家税等の導入(バンクーバー)に関して、現地の都市地理学者、都市計画家、不動産関係者、経済学者、行政関係者らへのインタビューを実施した。また、アメリカ合衆国ポートランドを訪問し、持続的な都市政策について現地の都市計画や人口学の学者らからレクチャーを受け、日本の都市に応用可能な要素について考察を深めた。これらの成果は、IGU(国際地理学連合) Urban Geography commission meeting、IGU Beijing meeting等の国際学会、地理空間学会などの国内学会において発表し議論を深めた。また、書籍を出版し、学会Proceedings等に論文が掲載されたほか、国内雑誌に論文が複数掲載された。今後は、行政、コミュニティ、一般住民等へのインタビューなどの現地調査を継続するとともに、論文や書籍の執筆を進める。さらに、現地視察の際に交流した現地の研究者らとの共同研究についても具体的に検討し、研究をより深めていく。なお、平成28年度には、地理空間学会から「学術賞」を授与された。
2: おおむね順調に進展している
カナダでの現地調査は予定より遅れているものの、アメリカやフランスの研究者らとの交流を通じて議論が深まり、本研究テーマを基盤にした共同研究計画が進むこととなった(Abe Fellow, Sakura project等二国間研究プロジェクトへの応募を検討中)。来年度は、こうした共同研究も具体化させ、論文や書籍の執筆も進めながら、カナダ大都市における現地調査を進め、国際比較研究にまとめる。
(1)トロント、バンクーバー、カルガリーにおける住宅地の維持管理に関する現地調査を実施する(2)アメリカ、フランスの研究者らとの共同研究を進める(3)住宅地の持続的な維持管理システムについて、各国の成果を比較し日本に応用可能な仕組みを導く(4)国際学会での発表後、国内外の雑誌に成果を投稿する
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)
In Moore-Cherry, N. eds. "Proceedings of the IGU Urban Commission Annual Meeting 2015 University Collage Dubline, Ireland"Geographical Society of Ireland Special Publication
巻: 14 ページ: 19-24.
リブロ岐阜学 岐阜の社会・文化・教育
巻: 2 ページ: 26-44