研究課題/領域番号 |
26770287
|
研究機関 | 下関市立大学 |
研究代表者 |
外枦保 大介 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (70581669)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 産学官連携 / 関連的多様性 / 地域イノベーションシステム / 産業地域 |
研究実績の概要 |
今日、先進諸国では、産業地域の産学官連携を進めることによって、イノベーション創出を図ることが目指されている。本研究の目的は、進化経済地理学の「関連的多様性」概念に着目して分析をすることにより、産業地域の進化過程モデルを構築することである。 平成26年度は、(1)「関連的多様性」概念の可能性と課題を検討する「理論研究」と、(2)産学官連携によるイノベーション創出を促進・抑制させた要因を分析する「海外地域におけるフィールドワーク調査」を実施した。 (1)に関しては、産業地域の一つである企業城下町に着目し、企業城下町の分布変化と立地調整について定量的に分析した。また、ポーランド・クラクフで開催されたIGC Regional Conferenceに出席し、ヨーロッパ諸国を中心に議論が活発な、進化経済地理学や「関連的多様性」「レジリエンス」概念の動向について、ディスカッションした。 (2)に関しては、フィールドワーク調査を、ピッツバーグなどアメリカ合衆国東部地域において実施した。ピッツバーグは、米国有数の鉄鋼都市であったが、現在は産業転換がなされ、ハイテク産業や金融業の都市に変貌した事で知られる。市内にあるオークランド地区には、カーネギーメロン大学やピッツバーグ大学など著名な大学も存在し、産学連携により産業転換を図った都市としても知られている。ピッツバーグにおける鉄鋼業の衰退から新産業創出への改革期は1940年代であり、この都市再生は北九州市の産業転換のモデルともなった。ピッツバーグの産業史から現在のイノベーション創出に至る産学官連携の進化過程に関する情報・文献収集等を実施することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、(1)「関連的多様性」概念の可能性と課題を検討する「理論研究」と、(2)産学官連携によるイノベーション創出を促進・抑制させた要因を分析する「海外地域におけるフィールドワーク調査」を実施した。 これらの成果は、データ・論点を取りまとめた上で、次年度以降も継続的に学会発表や論文執筆を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、研究成果の国内外での発表および海外でのフィールドワーク調査を精力的に行っていきたい。研究の進展においては、国内外の研究者との情報収集が必要であるとともに、昨年度・今年度の研究成果を発表するため、国内外の学会に積極的に参加したいと考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、2回の海外出張で大半を使用したが、若干の残額が発生した。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は、国内外の研究者との情報収集が必要であるとともに、昨年度・今年度の研究成果を発表するため、国内外の学会に積極的に参加したいと考えている。そのための学会出張旅費も執行する。
|