研究課題/領域番号 |
26770295
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
今堀 恵美 東海大学, 文学部, 講師 (50600821)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 文化人類学 / ウズベキスタン / ジェンダー / 中央アジア / ピースワーク |
研究実績の概要 |
本研究はピースワーク従事者の視点から中央アジアの女性たちの働き方について考える研究である。本年度は2017年10月にウズベキスタンの村落部でフィールドワークを実施した後に、ウズベキスタン科学アカデミー歴史学研究所に所属する民族学者と研究打ち合わせをした。次年度に開催予定の国際会議についての企画やメンバーとの予備的討論も行った。 現在ウズベキスタンでは大統領交代後のミルジヨエフ政権下で推進されている観光化の一環として工芸家支援が実施されている。フィールドワークによりこの新政権が実施する支援策の内実を調査するため、刺繍事業家、工芸カレッジの教員、ピースワーク従事者にインタビューを実施した。ミルジヨエフ政権は工芸家支援をすることによって貧困対策や経済格差是正を目指しているものの、本研究の調査で明らかになったのはこのような支援策が行き届く範囲は工芸家協会や工芸カレッジといった支援を受け入れるドナー団体に関わりをもつ工芸家だったことである。一方、工芸制作に長年携わっていても、このようなドナー団体に関与していない、もしくは工芸家とさえみなされていないピースワーク従事者に支援が十分に行き届かず、真に支援を対象とする層に支援が届いていない状況を明らかにした。この結果は2018年6月に刊行予定の論文としてまとめ上げた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年まで就職や出産育児で研究活動を中断せざるを得ない状況があったが、今年度は比較的順調に調査が行えた。また調査データもすでに論文の形でまとめて近日発表の予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究成果をまとめた一つの形としてピースワークからみた中央アジアの女性たちの働き方について国際会議を開催していく。本研究課題で見出した調査内容について、より幅広い研究者の見解を参考に、より精度の高い議論を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
若手Bの研究期間である2016年に出産を経験し、その後東海大学に就職することになり、研究機関を変更したことで産児休暇や育児休暇を取ることができなかった。育児を行っていた時期は無給の研究員だったため、育児休暇を申請できず、研究が大幅に遅れてしまった。今年度ウズベキスタンへの調査のほか、ウズベク人研究者を招聘する計画を立てている。そこで使用していきたい。
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