(1)先住民マオリとニュージーランド政府の植民地主義的収奪に関する「和解」過程の定型化を指摘し、それに並行した部族集団の実質化の様相を明らかにした。(2) 海の先住権を巡る2つの論争を分析し、マオリの先住民運動における対照的な方向性を見出した。(3)都市マオリ・コミュニティにおける若者のアイデンティティの実態を、「血」やエスニシティといった概念から捉えた。(4)ヨーロッパ系住民による、暴力性・好戦性を核にしたマオリのイメージ形成の歴史的経緯を整理した。(5)先住民を現代的な現象と捉え、世界各地の民族誌的事例を踏まえてグローバルな潮流とローカルな運動の関係性について考察した。
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