研究課題/領域番号 |
26780020
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
山田 哲史 帝京大学, 法学部, 助教 (50634010)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | グローバル化 / 民主的正統性 / 裁判所 / 権力分立 / ドイツ公法学 / アメリカ公法学 / 憲法学 |
研究実績の概要 |
本年度は研究初年度であり、基本的には、資料の収集とその分析に集中した。 具体的には、研究の方向性を決定するという意味で、当初より予定されていたことであるが、Cartis Bradley教授との意見交換を9月に米国Duke大学において行った。これにともない、Duke大学法学図書館において、資料収集も行い、とりわけ日本では入手困難な植民地時代の判例も入手することができた。こうして、米国における国際法適合的解釈の問題については、基本的な資料や知識の整理を行うことができ、今年度における最低限の目標は達成することができた。 他方、ドイツ連邦共和国及びドイツ語圏における、国際的規範の直接適用可能性ないし自動執行性に関する研究については、本研究開始前から着手していた資料収集を継続するとともに、その読解・整理を並行して行った。ただし、この過程において、ドイツおよびドイツ語圏における直接適用可能性ないし自動執行性について十分に理解するためには、ドイツ連邦共和国基本法における国際法友好原則や欧州法友好原則についても検討を深める必要が認識された。したがって、追加的な研究も必要となったことにより、当初目標としていた、年度中の論文化は叶わなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で説明した通り、米国についての研究はおよそ予定通りに進んでおり、「順調な進展」との評価を下すことができる。 他方、ドイツ(およびドイツ語圏)に関する研究については、これも研究実績の概要において前述した通り、追加的な研究課題の発見により、従来の予定よりはその進展が遅れている。もっとも、見落とされていた課題の発見は、ある意味では進展と捉えられる、研究量としては、当初の予定と変わらないともいえる。 以上の次第であるので、全体としては、「おおむね」順調な進展状況にあると評価している。
|
今後の研究の推進方策 |
おおむね順調な到達状況となっているので、基本的には従来の推進方針を継続して、研究を進める予定である。 文献研究であるので資料収集の継続とその読解・整理が継続されることとなるが、より具体的には、新たな研究課題が発見された、ドイツ(語圏)の直接適用可能性ないし自動執行性、国際法友好原則・欧州法友好原則についての理解を深化させることになによりも重点が置かれることとなり、その一環として、現地での資料収集および、現地の研究者との意見交換が予定される。なお、米国についても、資料収集・読解・整理が継続されることはいうまでもないことである。 こうして、27年度中には、ドイツ・アメリカ双方について、これまでの研究の蓄積が見られることとなる予定であるので、年度末までに論文としてまとめ、公刊することを第1の目標としたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定外の異動を行い、年度末その準備のため、当該科研費に関する研究を一時行うことが困難となった。このため、年度末に予定していた、書籍購入を見送らざるを得なくなったのが、次年度使用額が生じた理由である。
|
次年度使用額の使用計画 |
理由で記載した通り、書籍購入(物品費)として出費予定であったものが、繰越となったものであるので、27年度冒頭における書籍購入に充てる。
|